田起こしとは? 目的と効果 適正時期
- Bay-G Tribe
- 2024年8月1日
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田起こしは4月から5月にかけて、田んぼの土をなるべく乾燥させ、肥料を混ぜたり酸素を送り込む作業です。ここでは田起こしの目的と効果について紹介します。
明治初期までは、一年中水を湛えた「湿田」がほとんどでした。
現在、私たちが目にする田んぼは「乾田」と言われるもので、稲刈りの後は水がありません。
乾田は、秋に田んぼの水を抜いて乾かし、春に深く耕すことで、土が細かく練り上げられ、地力を向上させて収量を増やす方式です。
この明治時代に奨励された田起こしの方式には、次のような目的・効果があります。
1. 土を乾かす
土が乾くと窒素肥料が増加します。土に含まれる窒素は、植物が吸収しにくい有機態窒素の形で存在していますが、田起こしをすることで、土の中に空気が入って乾燥しやすくなり、微生物による有機態窒素の分解が促進され、植物が吸収しやすい無機態窒素に変化します。これを「乾土効果」と言います。
また、土を起こして乾かすと、土が空気をたくさん含むので、稲を植えたときに根の成長が促進されます。
深く耕すほど高収量が得られるという意味で「七回耕起は、肥いらず」「耕土一寸、玄米一石」などと言われてきました。
2. 肥料を混ぜ込む
肥料をまいてから田起こしをすれば、土に肥料をまんべんなく混ぜ込むことができます。
3. 有機物を鋤き(すき)込む
稲の切り株や刈り草、レンゲなどの有機物を鋤き込みます。
この有機物を微生物やミミズなどが分解して、養分を作り出します。
これが有機質肥料です。
有機質肥料の中には、窒素・リン酸・カリをはじめとする微量な養分も含まれています。
4. 土を砕いて団粒化する
土を細かく砕き、植物が腐ってできた有機物である「腐植」とくっついて、
直径1~10mmの小粒になったものを「団粒構造」と言います。
5. 雑草を防除する 雑草は、おもに地表下1~3cmのところから発芽します。 田起こしをして、雑草の種子を深く埋めることにより、雑草の発生を減らすことができます。
といった様々なメリットがあるので怠らずに欠かさずやることが理想です。

内部には耕耘爪(こううんづめ)が並んでいます。
エンジンの力で、耕耘爪を回転させて土を起こします。
耕耘爪は毎分150~400回転して土を削ります。回転数や耕す深さなどを田んぼの状態に合わせて調節します。
耕耘爪を回転させて土を起こすのでロータリと言います。
写真は、ロータリカバーを下ろした状態です。耕耘爪で起こされた土は、ロータリカバーにぶつかって砕かれ、耕起・砕土が同時に行われます。ロータリとロータリカバーの間隔は調整することができ、間隔を大きく開けると土塊も大きく、閉じると小さくなります。
耕耘爪で土を起こし、砕かれた土を、ロータリカバーが重みで均していきます。ロータリカバーは土の飛散防止、砕土、整地(均平・鎮圧)の3つの役割を果たしています。
田起こしは通常3回行われます。1回目は、土を深く掘り起こし、上層と下層の土を入れ替えます。これを「荒起こし」と言います。上層と下層の土を反転させますので「天地返し」と呼ばれることもあります。
田起こしでは、深く耕すことも大切ですが、耕す深さが平均していることも大切です。高低差が2~3cm以上あると、田植え後の水管理が難しくなります。高い場所でちょうど良いぐらいに水を入れると、低い場所の稚苗(ちびょう)は水没してしまうからです。
ロータリは、耕す深さが約12~20cmと比較的浅めで、土の反転も少ないのですが、土を細かく砕き、均平に田起こしをすることができます。
田起こしのときの走行スピードは、時速約4kmです。2回目、3回目の田起こしは「くれ返し」とも言います。深さ20cmくらいまでの土を、細かく砕きます。
田んぼの凹凸により、トラクタは傾きますが、ロータリは水平を保ち、デコボコを均しています。
ロータリは耕起・砕土・整地を同時に行うことができますから、効率的です。また、後述するプラウのような土の横移動などもなく、均平性が高いという長所があるので、田起こしに適しています。





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